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ギブアンドテイク【後編】

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花田ちゃんが選んだのは、会社から徒歩圏のうどん屋さん。


「最近どうしたの?声かけないと休まないし、その割りにはぼーっとしてるし」

「……そんなにですか」

「何かあったんでしょ?お姉さんに話してごらん」


同い年だろ、と思いながらも、花田ちゃんは聞き上手で有名だ。

後輩社員からもよく慕われていて、同期の間でも相談相手に選ばれやすい。

気持ちの整理はつかないけど、話してみるのもいいかもしれない。


「前に、少し話したと思うんだけど。中学からずっとつるんでる高峰」

「あーあのハウスキーパーの」

「……高峰、この春から九州に転勤になって、全然連絡こないんだよね」


今までは、主に高峰からメールが来て、日程を決めていた。

特に大学時代は、彼からの連絡待ちで、わたしから声をかけることはほとんどなかった。

転勤すると話された日から、結局1度も連絡すらとっていない。


「難しいこと考えないで自分からメールすればいいじゃん」

「いや、なんかしにくくて……気持ち的に」

「ん?ーー転勤前に告白でもされたの?」


ぶふぉ!とすすっていたうどんが口からこぼれる。

あーあーと言いながら、おしぼりで飛んだ汁を拭いてくれる花田ちゃん。

的確すぎてこわいわ!


「わかりやすいな」

「……だからメールできないの」


呆れた目を向けられたって、もう話すしかない。