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切れた糸のゆくえ

side 由菜



連絡が、来ない。


「滝本さん、頼んでた資料出来た？」

「あ、はい」

「……なんか元気ないな。どうかした？」


社会人２年目。

職場にめぐまれたわたしは、多忙だけど充実していると思う。

いかんいかん、仕事中にぼんやりしてた。


「なんでもありませんよ。ちょっと疲れてるだけで」

「よく残業してるもんなあ。でも、ほどほどにちゃんと休めよ」

「はい」


先輩の言葉にうなずいて、パソコンに向き直る。

うーん、よく眠れてないのは事実。

よく夢を見るから、眠りは浅いのだとわかっているのだけど。


「たきもっちゃん、ごはん行かない？」

「うん。ちょっと待って」

「今日は外に食べに行きましょ」


同期の花田ちゃんに声をかけられて、キリのいいところで昼休みをとることにする。

周りを見ればほとんどのデスクに人がいない。

また今日もランチに出遅れたんだな。