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ギブアンドテイク【後編】

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彼女の目には、涙。


「ごめん……勝手で」

「なんかあった?ーー俺と連絡とるのも嫌になった?」

「……ちがう」


冷静になれば、なんとなくわかった。

急に電話をかけてきたことも、ご飯作って自慢してきたことも、こっちに遊びに来ないか誘ってきたことも。

ーーもどかしくて、玄関に押し入って彼女を抱きしめた。


「来るなら、言ってよ」

「言おうとしたら着拒だったんだよ。おまえが悪い」

「……」


何も言い返せまい。

ただ、彼女の細腕も俺の背中に回ったから、もうなんでも許せると思った。

ちらりと部屋を見れば、懐かしい光景だったのも。


「こんなことだろーと思った」

「……あんたも、ずいぶんやつれたじゃん」

「食欲わかないんだから仕方ない」


言ったそばから、腹が鳴る。

説得力皆無だなー、悲しくなるわ。