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ギブアンドテイク【後編】

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次の日。


「高峰、今日直帰?」

「はい。そうさせてもらうつもりですけど」

「なーんだ。じゃあさ、明日は?飲みに行こう」


先輩の言葉に、わかりましたと笑顔で応える。

彼女からの連絡ひとつで、心のもちようがまるで違う。

単純すぎて、自分がおかしい。


「はー……久しぶりにまともに食ったな」


直帰だからと定食屋に寄ってから帰宅して、ちゃんと部屋着に着替えてからベッドに寝転んだ。

今日こそは絶対に酒を入れずに寝る。

心地よい睡魔におそわれてまぶたが重くなったころ、テーブルの上に置いた携帯が震えた。


「なんか今日やらかしたっけ……」


職業柄、勤務時間外でもたまに携帯で呼び出しをくらうことがある。

気重にディスプレイを見て、眠気は吹っ飛んだ。

滝本からだ。


「もしもーし」

「おまえ、通信会社同じだよな?通話料かかんねーよな?」

「う?うん。そうだと思うけど……わたしからかけてるんだから、高峰は通話料気にしなくても大丈夫なのに」


笑ってるが、けっこうバカにならないんだからな、通信費ってのは。