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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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刹那にゆく季節 探偵奇談3

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「あ、須丸くんいたいた!」

走ってきたのは一之瀬郁だ。小さい身体でちょこまか動き、岩の間を通り抜けてくる。

「一年みんなで写真とってんの、来て来て」
「俺なんていいから宮川主将撮ってこいよ」
「もう撮ったよ!見る見る?」

郁はるんるんしながら画面を見せた。バーベキューで肉を焼いている宮川がブレぶれで映っていた。

「こんなん盗撮やんけ」
「ち、違うもん!シーッ!」

漫才のような二人を見ていると、伊吹は身体から力が抜けた。

「写真撮りましょうって言えばいいのに」

恋してんだな、と微笑ましく思いながらそう言うと、郁は頭をぶんぶん振った。

「無理ですよ、もードキドキして…肝試しのときでさえやばかったんですから!」
「それ聞かなきゃと思ってたんだよ。俺のアドバイス通り押し倒したのか?ちゃんと」
「おまえら…」
「そんなことしませんって!」

でもいいことはあったんです、と郁は笑った。