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ギブアンドテイク【前編】

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数日後。


「やっぱ、無理」

「何が?」

「付き合うとか、考えるのが無理」


どきっとしたが、すぐにパーティーに来た男のことだろうと思い至る。

言葉が鋭すぎて、自分に刺さったかと思った。

おそろしいくらい容赦ないわ。


「外食とかカラオケとかそんなんばっかりだったから分からなかったけど、ほんとに手伝いしてくれない……上辺だけのやさしさはいらないのよ!」

「なんだ、好きだったんじゃないの?」

「……友達が、さすがにあんたは大学のうちに彼氏を作ってみなさいと言うものでいいなと思うところにいってみたらまあハズレでした」


なんか自分と重なってせつない。


「とうぶん考えたくもない。佐倉くんでこりとくんだった」

「は?佐倉?なんで今名前が出るの」

「……佐倉くん、わたしに告白してきたよ。でも、友達にしか思えないって断った」


初耳。

合コン断ったあの日、佐倉から「滝本と2人きりだと何するかわかんないけどいい?」とメールが来たことはあるが、あの時は駆けつけたらすぐにいなくなったじゃねーか。

俺を引っ張りたいだけかと思ったら、うわ、思った以上にマジだったんだ。