ギブアンドテイク【前編】
がちゃ、とドアが開いた音が聞こえた。
「滝本!」
その声は、合コンに行ったはずの男のもの。
「え、高峰?え?なんでいんの?」
「そんなことより!家に1人ならちゃんと施錠しろっ!のこのこ上がらせんな!」
「……ご、ごめん」
息が上がってることで、走ってきたのが分かる。
なんで慌ててるんだろう。
のこのこ来てここにいるんだろう。
「俺が電話したの」
「あ……佐倉くん」
「すっ飛んできたのは予想外だけど。滝本ごめん、俺今日は帰るわ」
え、と思ったときには、玄関にいた彼はドアの向こうに消えていた。
あれ、晩ごはんはいいの?
2人分作っちゃったんだけど。
「……なんだよ、あいつ。ハッタリかよ」
「へ?」
「……なんでもない」
なんでもないことないでしょ。
「合コンはよかったの?」
「……いいんだよ、もう。つまんねーし、店の料理は不味いし。腹減った、飯ないの?」
自由だな、この男は。
「滝本!」
その声は、合コンに行ったはずの男のもの。
「え、高峰?え?なんでいんの?」
「そんなことより!家に1人ならちゃんと施錠しろっ!のこのこ上がらせんな!」
「……ご、ごめん」
息が上がってることで、走ってきたのが分かる。
なんで慌ててるんだろう。
のこのこ来てここにいるんだろう。
「俺が電話したの」
「あ……佐倉くん」
「すっ飛んできたのは予想外だけど。滝本ごめん、俺今日は帰るわ」
え、と思ったときには、玄関にいた彼はドアの向こうに消えていた。
あれ、晩ごはんはいいの?
2人分作っちゃったんだけど。
「……なんだよ、あいつ。ハッタリかよ」
「へ?」
「……なんでもない」
なんでもないことないでしょ。
「合コンはよかったの?」
「……いいんだよ、もう。つまんねーし、店の料理は不味いし。腹減った、飯ないの?」
自由だな、この男は。
作品名:ギブアンドテイク【前編】 作家名:かずさ