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ギブアンドテイク【前編】

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まあ、やってしまったものは仕方ない。


「うわっ!なんでこんなニラ入ってんだよ!」

「身体にいいんだよ。ね?佐倉くん」

「ソウダゾー残シタラダメダゾー」


高峰とわたしの両方に罪悪感を持っているらしく、佐倉くんはあからさまにカタコトに話した。

ぐちぐち言いながらも、高峰はニラ餃子を食べる。

……まったく。


「無理に食べなくていいよ。あんたがニラ苦手なの知ってるし」

「……るせ。なんで嫌がらせされてるのか知らないけど、残すわけないだろ」

「いやいや、わかってるよ。佐倉くんにわたしが片付け出来ないことグチったって聞いて腹が立っただけで、ちゃんと普通の餃子もあるんだから」


ほら、と彼から遠いところにあったお皿を近づけてあげる。


「俺、おまえのこと話したことねーよ」

「え」

「学校でもずっと手を焼いてたから、それを見て思ったんだろ」


ロッカーの整理とか、カバンの中身の整理とか、実験の片付けとか。

挙げられたものは、身に覚えがあるものばかり。

あー……たしかに、高峰から聞いたとは言ってなかった、かも。


「いやー……ごめん。言うタイミングが難しくて」


佐倉くんの罪悪感の理由がやっとわかった。