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言霊を信じたわけじゃない。


「滝本先輩」

「はい？あれ、君はたしか……」

「１年の岸本です。体育祭で同じ係した」


２つ下かよ。


「うん。おぼえてるよ。んで、なにか用あった？」

「ーー先輩が好きです」

「え」


冷静になるんだ岸本くん！

そいつは料理しか取り柄のない掃除破滅的な女だぞ！

と、心の中で叫ぶが一文字たりとも届かない。


「付き合ってくれませんか」

「ーーごめん、考えられない」

「……高峰先輩がいるからですか？」


は？


「は？なんで高峰が出てくんの」

「滝本先輩も高峰先輩も、仲良くて恋人作らないから、実は付き合ってるんじゃないかって話題になってます」

「なにそれおもしろい」