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ギブアンドテイク【前編】

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俺のモテ期は、今なんだと思った。

中学からの流れで入ることにしたサッカー部は、この学校では比較的盛んなほうで、注目されやすいのもあった。

1年を通じて、3人に告白された。


「典型的な超イケメンなら自分にある程度自信ないと無理だけど、おまえみたいな雰囲気イケメンは敷居が低いんだろうな」

「……佐倉くん、それは俺への当てつけかい」

「いや?前に滝本と話した結論」


おまえら容赦ないな、おい。

てか、高校違うのに、まだ滝本と連絡とってんのか。

佐倉のくせに。


「なんで長続きしねーんだろ……」

「諦めるべきだな。おまえ、よっぽど滝本のこと好きだろ」

「……分かった風に言う」


否定出来なくて何も言い返せない。

にやにやしながら、彼はポテトをつまむ。

俺のだからなと言いたいが、愚痴話を聞いてもらうには安いもんだな。


「なんでそんな遠回りするわけ?いい加減自覚しろよ。告ってしまえ」

「ばっか!ふざけんなよ!」

「うるっせーなあ」


ファストフード特有の店内でも賑やかだった男子高生の集団すら黙ったから、よっぽどうるさかったのだ。

それどころじゃねーけどなこっちは!