ギブアンドテイク【前編】
次の日。
「滝本、今日行っていい?」
「へ?……あんた昨日のわたしの話聞いてた?」
「うん。だから行っていい?」
ぽかんとした彼女に、笑顔を見せる。
対照的に、彼女は険しい表情。
というか、半分軽蔑されてるな。
「……あんた、まさかもう別れたわけ?」
「だって、料理できねーって言うんだもん」
「だもん、じゃないわよ!」
まったく、乙女心をなんだと思ってるんだか、って顔だな。
でも仕方ない。
天びんにかけたとき、どうしたって滝本のほうが価値があるんだから。
「今の俺には、滝本家に通えない以上の問題がないんだよ」
「栄養失調と空腹で死ぬんでしょ」
「そうそう。おまえも俺がいないと困るだろ」
冗談ぽく言ってみると、彼女は真顔で答える。
「困るけど、そのときはそのときでしょ」
「滝本、今日行っていい?」
「へ?……あんた昨日のわたしの話聞いてた?」
「うん。だから行っていい?」
ぽかんとした彼女に、笑顔を見せる。
対照的に、彼女は険しい表情。
というか、半分軽蔑されてるな。
「……あんた、まさかもう別れたわけ?」
「だって、料理できねーって言うんだもん」
「だもん、じゃないわよ!」
まったく、乙女心をなんだと思ってるんだか、って顔だな。
でも仕方ない。
天びんにかけたとき、どうしたって滝本のほうが価値があるんだから。
「今の俺には、滝本家に通えない以上の問題がないんだよ」
「栄養失調と空腹で死ぬんでしょ」
「そうそう。おまえも俺がいないと困るだろ」
冗談ぽく言ってみると、彼女は真顔で答える。
「困るけど、そのときはそのときでしょ」
作品名:ギブアンドテイク【前編】 作家名:かずさ