小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ギブアンドテイク【前編】

INDEX|22ページ/48ページ|

次のページ前のページ
 
数分後。


「電話切れた」


通話を終えた高峰が、わたしのスマホを返してくれた。

いやいや、せっかくの機会なのにわたしだけ電話してないとかおかしい。

でも、30分くらいしか時間取れないって言われてたな……いやいやでも。


「なんて言ってた?」

「……部屋きれいにしてくれてありがとうとか、電話できるようにしてくれてありがとうとか」

「ふっつー」


なんてことだ、わたしの心配は1ミリもしてない。


「あと、おまえによろしくだって」

「……直接言えよ」

「忙しいのに電話したら話が止まらなくなるからって言ってたぞ。明枝さんみたいに」


そりゃそうかもしれないけど、違いないけど。

会ったこともない彼に伝言するんじゃなくて、一言でも直接聞きたかった。

接客業なのにコミュ障なんだから。


「あと、明日はオムライスが食べたいだって」

「……明日帰ってくんの?」

「俺、明日も来いって言われたし」


いつの間に仲良くなってるんだ。

明日帰るなんて、聞いてないぞ。