ギブアンドテイク【前編】
数分後。
「電話切れた」
通話を終えた高峰が、わたしのスマホを返してくれた。
いやいや、せっかくの機会なのにわたしだけ電話してないとかおかしい。
でも、30分くらいしか時間取れないって言われてたな……いやいやでも。
「なんて言ってた?」
「……部屋きれいにしてくれてありがとうとか、電話できるようにしてくれてありがとうとか」
「ふっつー」
なんてことだ、わたしの心配は1ミリもしてない。
「あと、おまえによろしくだって」
「……直接言えよ」
「忙しいのに電話したら話が止まらなくなるからって言ってたぞ。明枝さんみたいに」
そりゃそうかもしれないけど、違いないけど。
会ったこともない彼に伝言するんじゃなくて、一言でも直接聞きたかった。
接客業なのにコミュ障なんだから。
「あと、明日はオムライスが食べたいだって」
「……明日帰ってくんの?」
「俺、明日も来いって言われたし」
いつの間に仲良くなってるんだ。
明日帰るなんて、聞いてないぞ。
「電話切れた」
通話を終えた高峰が、わたしのスマホを返してくれた。
いやいや、せっかくの機会なのにわたしだけ電話してないとかおかしい。
でも、30分くらいしか時間取れないって言われてたな……いやいやでも。
「なんて言ってた?」
「……部屋きれいにしてくれてありがとうとか、電話できるようにしてくれてありがとうとか」
「ふっつー」
なんてことだ、わたしの心配は1ミリもしてない。
「あと、おまえによろしくだって」
「……直接言えよ」
「忙しいのに電話したら話が止まらなくなるからって言ってたぞ。明枝さんみたいに」
そりゃそうかもしれないけど、違いないけど。
会ったこともない彼に伝言するんじゃなくて、一言でも直接聞きたかった。
接客業なのにコミュ障なんだから。
「あと、明日はオムライスが食べたいだって」
「……明日帰ってくんの?」
「俺、明日も来いって言われたし」
いつの間に仲良くなってるんだ。
明日帰るなんて、聞いてないぞ。
作品名:ギブアンドテイク【前編】 作家名:かずさ