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ギブアンドテイク【前編】

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部屋に散らかったバスタオルを集めた彼は、洗濯機をそのまま回してきた。


「洗濯なんかぶち込んで機械回すだけだろ……」

「いやー。だって、白いの変色するし、洗ってもなんか汚いし。わたしがやると洗濯しないんだもんーーめんどくさいし」

「色物と一緒にしたり、定期的に洗濯槽洗わないからだろ。最近は俺がそれなりにやってんだからめんどくさがるな」


えー、でもセーターも伸びるし、シャツもしわくちゃになるし。

アイロンかけても焦げちゃうしな。

洗濯乾燥機とはいえ、万能じゃないんだもの。


「わたしがやるより、高峰がやったほうが洗濯物も幸せよ」

「最低限のコツを知れよ」

「得意不得意があるのよ」


高峰がめいっぱい馬鹿にした目を向けてくるけど、わたしに言わせてみれば目玉焼きすら作れない彼は少なくともわたしのことは言えない。


「頼むからこれ以上溜め込むなよ。こんなにシャツコレクションしてもしかたねーだろ」

「へいへい」

「……毎週のように新品買い込んでんの、学校名物になるぞ」


だって、ネットで買ったノンアイロンのブラウスですらシワつくんだもの。

買うしかないじゃない。

購買のおばちゃんには2ヶ月でだいぶ仲良しになったから、悪いことばかりでもない。