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俺たちはお互いに欠けてるものがあって、長けてるものがあってーー丁度頼り合える距離にいただけ。


「ちょ、じゃがいも完全に育ってんだけど」

「そーなんだよなーまあ可食部増えていいじゃん」

「あほか」


母親より世話焼きで、そのくせ危なっかしい。

俺をまるで男と見てない性格が逆効果。

呆れるくらいに惚れ込んでると言っても、こいつは絶対信じてくれない。


「なんで使いこなせないのに買い込むかな」

「シェフのやりやすいキッチンにすることだけが使命だから」

「やっぱあほだろ」


もったいない精神の彼女は、俺の台所が心配でちょくちょく遊びに来る。

そして、使いもしない調味料や食材を見つけては、文句を言いながらも調理してくれる。

彼女は、俺の生活の一部だと思う。


「はい、プリント整理できた」

「わーいありがとー」

「科目別にくらい数分で出来るだろうに……」


俺も彼女も、お互いがあって初めて成り立つ。