ギブアンドテイク【前編】
利害関係の仲
わたしたちに必要なのは、お互いの能力だった。「おまえなー洗濯物くらいちゃんと畳めよ」
「ありがとー高峰」
「……はいはい」
たぶん友達には触られたくない下着も、気にならないくらいの関係。
友達というよりは悪友と呼ぶべきか。
そのへんのブラコンなんか相手にならないくらい、異性だと思ってない。
「高峰、まじでありがとう」
「……男呼ぶのにこの部屋じゃあな」
「もう素質だと思ってるから」
彼がいないとただただ散らかるわたしの家は、完全に彼に依存している。
「晩ごはん、なにがいい?」
「……クリームシチュー」
「わかった。買い出し行ってくる」
ま、お互い様だと思うけど。
作品名:ギブアンドテイク【前編】 作家名:かずさ