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ギブアンドテイク【前編】

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食器乾燥機にかけられないくらいのスケールに、とりあえず使うものだけを優先して洗い、彼女に買いに行かせたふきんでふいていく。


「ミネストローネつくろうと思うんだけど、食べれる?」

「……ああ」

「よかった!ごめんね、任せちゃって」


調理実習で彼女の実力は知ってるから、もう驚かない。

料理は出来ないし、流しはこれから彼女が使うから皿洗いできないし。

でも、俺がやれることは山ほどある。


「新聞とかチラシは見るの?」

「ううん。その日のしか見ない」

「……片付けさせてもらうぞ」


えっいいの?と遠慮がちに瞳を輝かせてくる。

嘘がつけないんだな。

ちょいちょい、着たあとっぽい服も散らかってるけど、さすがに洗濯はできないしな。


「今週末が廃品回収だから、ちゃんと出せよ」

「はいはーい」

「……わかってんのか」


キッチンから鼻歌交じりに料理してるのがわかる。

楽しそうだな。

ーーでもそうか、いつもはこの広い家に1人なのか。