ギブアンドテイク【前編】
帰り道にスーパーで野菜やら何やらを買った。
「ごめんねー。ちょっと散らかってるんだけど」
ちょっと、という言葉はもっと使いどころがある。
一軒家の玄関の靴箱上には、よくポストに入ってる宅配ピザのチラシとか不動産屋のチラシがある。
……散乱してる。
「親は?」
「共働きで、あんまり帰らないの。お父さんは塾講で全国飛び回ってるし、お母さんは今年から仕事復帰してね」
「ふーん……」
スリッパを出してくれた彼女は、リビングに入った。
ついていくと、まあ予想通り。
ほんとに新聞チラシが散らかっている。
「あー……忘れてた。使える鍋ない」
「は?いやいや、流しにあるだろ」
「これは使用済みだから。うーん……」
冗談かと思えば、いたって真顔だ。
台所には、使ったと思われるフライパンが4つ、皿もダイニングテーブルに重なってる。
まじか。
「……よし。俺が洗うから、ちょっと待ってろ」
学ランを脱いで腕まくりをして、覚悟を決める。
女の子の家とかーーましてや好きになったばかりの女の子の家で、たまりにたまった皿洗いをすることになるとは思わなかった。
「ごめんねー。ちょっと散らかってるんだけど」
ちょっと、という言葉はもっと使いどころがある。
一軒家の玄関の靴箱上には、よくポストに入ってる宅配ピザのチラシとか不動産屋のチラシがある。
……散乱してる。
「親は?」
「共働きで、あんまり帰らないの。お父さんは塾講で全国飛び回ってるし、お母さんは今年から仕事復帰してね」
「ふーん……」
スリッパを出してくれた彼女は、リビングに入った。
ついていくと、まあ予想通り。
ほんとに新聞チラシが散らかっている。
「あー……忘れてた。使える鍋ない」
「は?いやいや、流しにあるだろ」
「これは使用済みだから。うーん……」
冗談かと思えば、いたって真顔だ。
台所には、使ったと思われるフライパンが4つ、皿もダイニングテーブルに重なってる。
まじか。
「……よし。俺が洗うから、ちょっと待ってろ」
学ランを脱いで腕まくりをして、覚悟を決める。
女の子の家とかーーましてや好きになったばかりの女の子の家で、たまりにたまった皿洗いをすることになるとは思わなかった。
作品名:ギブアンドテイク【前編】 作家名:かずさ