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ギブアンドテイク【前編】

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後日。


「うっわ……おまえな。分かってたけどロッカー汚すぎ!何したら1ヶ月足らずでここまで荒れるわけ」

「えー。そんなにみんなと違う?」

「昨日のプリントがすでにゴミくずに見えるのは大多数じゃない」


弁当のお礼と、この日の夕飯の交換条件に、俺は彼女のロッカーを片付けた。

きれいに整頓する気など微塵も感じられないロッカーには、家に持って帰らない辞書やプリントがあるのだが、どんどん押し込まれた結果がある。

こいつの生活力が心配だ。


「家もこんなもんだよ。新聞チラシとかたまるもんね」

「……廃品回収って知ってるか」

「あるよねー。日曜にうるさくされて嫌になる」


ダメだ、話が通じない。


「おはよーって、何してんの?」

「あ、佐倉くん。おはよ。高峰くんに片付け手伝ってもらってるの」

「へー……大変だなー」


佐倉の視線が痛い。

そんな偽善者でもないだろって顔だ。

わかってんなあ。