ギブアンドテイク【前編】
結局、余計なゴミは増えるわ、放課後食器の整理をさせられるわ。
「えー。わたしも手伝うよ」
「いや、いい。俺一人の方が早く終わる」
「むう……」
彼女がやらかすのは目に見える結果だから、俺は1人でとっとと片付けを済ませる。
壊した分の新しい皿を、洗って拭いてから棚に入れていく。
班の人数分をきれいに割ったから、それなりの枚数だ。
「じゃあ、なんかお礼させて。ええと、食べ物で」
料理の腕なら自信があるのだろう。
対価条件としては、悪くない。
でも、別にお菓子が食べたいわけでもないからなーーあ。
「……なら、新入生歓迎ピクニックで、俺の弁当作って」
「弁当?いいけど、お母さんが作ってくれたりしないの?」
「うん。ーー母さん、いないから」
あ……とこぼした彼女に、言葉が足りないことに気付く。
「あ、ごめん。両親は海外赴任してるんだ。今は伯父さんの家にいるんだけど、居心地悪くてあんまり関わらないようにしてる」
「……そっか。わかった!つくってくる!」
「ありがとう」
話を受け止めて、彼女は笑った。
「えー。わたしも手伝うよ」
「いや、いい。俺一人の方が早く終わる」
「むう……」
彼女がやらかすのは目に見える結果だから、俺は1人でとっとと片付けを済ませる。
壊した分の新しい皿を、洗って拭いてから棚に入れていく。
班の人数分をきれいに割ったから、それなりの枚数だ。
「じゃあ、なんかお礼させて。ええと、食べ物で」
料理の腕なら自信があるのだろう。
対価条件としては、悪くない。
でも、別にお菓子が食べたいわけでもないからなーーあ。
「……なら、新入生歓迎ピクニックで、俺の弁当作って」
「弁当?いいけど、お母さんが作ってくれたりしないの?」
「うん。ーー母さん、いないから」
あ……とこぼした彼女に、言葉が足りないことに気付く。
「あ、ごめん。両親は海外赴任してるんだ。今は伯父さんの家にいるんだけど、居心地悪くてあんまり関わらないようにしてる」
「……そっか。わかった!つくってくる!」
「ありがとう」
話を受け止めて、彼女は笑った。
作品名:ギブアンドテイク【前編】 作家名:かずさ