小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ギブアンドテイク【前編】

INDEX|10ページ/48ページ|

次のページ前のページ
 
結局、余計なゴミは増えるわ、放課後食器の整理をさせられるわ。


「えー。わたしも手伝うよ」

「いや、いい。俺一人の方が早く終わる」

「むう……」


彼女がやらかすのは目に見える結果だから、俺は1人でとっとと片付けを済ませる。

壊した分の新しい皿を、洗って拭いてから棚に入れていく。

班の人数分をきれいに割ったから、それなりの枚数だ。


「じゃあ、なんかお礼させて。ええと、食べ物で」


料理の腕なら自信があるのだろう。

対価条件としては、悪くない。

でも、別にお菓子が食べたいわけでもないからなーーあ。


「……なら、新入生歓迎ピクニックで、俺の弁当作って」

「弁当?いいけど、お母さんが作ってくれたりしないの?」

「うん。ーー母さん、いないから」


あ……とこぼした彼女に、言葉が足りないことに気付く。


「あ、ごめん。両親は海外赴任してるんだ。今は伯父さんの家にいるんだけど、居心地悪くてあんまり関わらないようにしてる」

「……そっか。わかった!つくってくる!」

「ありがとう」


話を受け止めて、彼女は笑った。