小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

からっ風と、繭の郷の子守唄 第36話~40話

INDEX|10ページ/16ページ|

次のページ前のページ
 


からっ風と、繭の郷の子守唄(39)
「朝帰りの康平を待っていたのは、笑顔の母と桑の木に巣食うアメリカ君」

「あ。そこで結構です。酔い醒ましで少し歩きます」

 県道は上毛電鉄に沿って、赤城の南面を西へ伸びていく。
上毛電鉄の有人駅、『新里駅』を過ぎたところで康平が運転中の辻ママに
「とめてください」と、合図を送る。

 「あら。遠慮しなくてもいいのに。
 行くわよ、千佳ちゃんちの前まで。久しぶりだ、顔も見たいもの」

 辻ママが、康平の母の名をポンと口に出す。
そんなふうに呼ばれていた、母の愛称が突然出てきたため降りる支度を
していた康平が、その場で目を丸くして固まってしまう。