眠りの庭 探偵奇談2
かつて、人間の身勝手を呪いながら命を失った。
だけど、それを憐れんでくれたひとたちがいた。
安らぎをくれた。
祈りをくれた。
温かな想いのつまったこの場所で、笑いあう子ども達を眺めていると、死んでしまった悲しみも癒えていった。
それなのに。
傷つけてしまった。
大切な子どもたち。
祠に手を合わせてくれた生徒がいたこともあった。
いまの子たちはそんなことしないけど、それでもこの古ぼけた祠にいたずら一つしない。
子どもらに救われていたのに。
どうしてこんなことになっていくのだろう。
住処を追われ。
安らぎを奪われ。
どうして。
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作品名:眠りの庭 探偵奇談2 作家名:ひなた眞白