眠りの庭 探偵奇談2
自分には見えない世界を見ている瑞。その彼に、少しでも関われるなら。その世界の片鱗に触れられるなら。
「須丸くんが暴走しそうになったら、ぶっ叩いてでも止めたげるからね!」
その言葉に目を丸くして、瑞は吹き出して笑った。
「ぶっ叩くのはやめてほしいかな」
あ、いつもの感じが戻った。郁は思う。
「…アリガト」
ちょっと元気出たし寝るね、と言い、瑞は机に顔を伏せた。ぐったりと疲労しているのは、精神的なことも影響しているのだろう。
「先輩から連絡来たら、教えて」
「わかったよ、すぐ起こすから」
郁のその言葉に安堵したのか、彼は静かに瞳を閉じたのだった。
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作品名:眠りの庭 探偵奇談2 作家名:ひなた眞白