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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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眠りの庭 探偵奇談2

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ああ、この世のものではないのかと即座に思った。そして少女の立っていた場所で朽ちた祠を見つけたのだった。

(ここは古い土地だというから、いろんなものがいるのだろう)

瑞には、生きていないものが見える。子どものころからそうだった。この学校でも、すでに不思議な体験をしている。周囲の雑木林や裏山にも、古い石碑や得体のしれない由来を持つ祠や廃神社が多くある。中庭の石碑もその一つなのだろう。

「…どうして俺を呼ぶの?」

月明かりの下、白髪の少女を見つけた。紺色の作務衣姿。ぽつんと重機のそばに佇んでいる。ひとではない、霊でもない。そう瑞は思う。

少女は怒りの形相を浮かべていた。初めて見たときの、生徒らを見て微笑む姿とはかけ離れている。

「何に怒ってるんだ?工事が気に入らないのか。学校のガラスを割っているの、きみ?」

少女は答えず、ひとさし指を瑞に突きつけた。さっさといけ、なすべきことをやれ、そう言われているのだと不思議と理解する。

自分を見つけることのできた瑞に、何かを託そうとでも言うのだろうか。

「…なんとかするから、日中俺にとりつくのやめてもらっていいかな?眠いしイライラするし、些細な音がすごく気になるんだ」

ここのところの不調はたぶんこれが原因だろう。少女は何も答えず月明かりに消えた。

「うーん…」

やるしかないか。約束してしまった以上、見つけてしまった以上は、見なかったことにはできないのだから。


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