スケッチ ♯2
この冬が愛しくて愛しくて今日も泣いてしまう
雪国で点けるタバコは指先が痛む
確かめるように
その感触を踏みしめて
わたしの帰る場所が
此処であればよかったのにと泣いた
雪国で点けるタバコは指先が痛む
行き方が違うから
生き方が違うから
私たちは寂しくなるのでしょうか
きっとそうじゃない
だって私の寂しさは私のもので
衝動も
嘆きも
あの子には決して聞こえない
帰して
返して
いったい何を
そこにあったのは青春
駆け抜けた春は
誰にも平等に帰らない
雪国で点けるタバコは指先が痛む
肺を刺す鋭い冷たさを
深呼吸で確かめて
私の帰る場所が此処であればよかったのにと
泣いた