スケッチ ♯2
さようならの価値観
夕焼け
ゆっくりと延びて行く飛行機雲の傍に
宵の明星がありました
10月の国から
出ることができずに
星を眺める僕たちは滑稽で
競い合うように
どちらが一秒でも長く
触れていられるかをいつも
比べずにいられないふたり
の
ようでした
また明日 また明日
そんな明日を疑いもせず
沈んだ夕日と
残った金星で
明日の僕たちを占う
そんな10月の国でした
この国を 出たら
僕もあなたも笑って
さよならをしようと
決めていて
それができるようになるまで
それが
あなたが僕にくれた時間でしたね
さようならの価値観
大丈夫 きっと
あなたと同じさようならを
見つけて見せるから
だからもう少し もう少しだけ
この国で あなたの隣で