ステップ・アップ!!
lesson.5
文化祭前日
稽古は順調に進んでいた。
稽古以外にも衣装や美術なども段々出来上がって来て衣装合わせをしたり、体育館の舞台上で打ち合わせをしたり、何処にどの小道具を置くかなどを話したりと色々大忙しだった。
岬は水野に呼び出されていた。
「どうしたの?亜紀」
「いよいよ明日ね」
「え、あ、あぁ、そうだね…」
「調子はどう?」
「まぁまぁ順調かもね」
「そう。私も結構良い感じよ」
「そっか」
「良い物にしたいわね、明日の劇」
「うん」
「それより今日はどうするの?泊まる子も多いみたいだけど?」
「亜紀は?」
「私は…そうね、岬が泊まるなら泊まってもいいけど」
「その言い方は狡いね」
「ふふ、そうね」
「仕方ないか…」
「ええ」
岬と亜紀は二人揃って先生に泊まる為の申請書を出し、その後は買い出しに行ったり、銭湯に行ったり、寝る前に怪談をしたり、雑談をしたり、枕投げをしたり、夜食を食べたりで忙しくしているといつの間にか皆、眠りについたのだった。
作品名:ステップ・アップ!! 作家名:本宮麗果