ステップ・アップ!!
lesson.4
水野亜紀に紹介された稽古場での稽古を行いながら併合で岬は学校の劇の稽古を熟していた。元々物覚えが早く、記憶力もいいため直ぐにセリフは覚えた。その対応能力の高さに最初は唖然としたが同時に彼女が元トップアイドルだったという事実を思い出す。この程度は当たり前、朝飯前、当然というように岬は態度で示した。
クラスの皆は岬を見る目を変えた瞬間だった。
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一方、稽古場では相変わらず厳しい訓練が続いていたが毎日やっているため、大分慣れて来た。余裕を持って出来るようになると周囲の事もちゃんと見えて来る。その事が分かっただけでも第一段階クリアと言えた。
その次は『ロミオとジュリエット』の劇の台本の意味を全て調べさせた。もちろんシェイクスピア全集なども全て読ませたり、映画などを見せてさらに染み込ませるように何度も何度もセリフをなぞり、読み続けた。
作品名:ステップ・アップ!! 作家名:本宮麗果