ステップ・アップ!!
そんな時、水野亜紀が手を挙げた。
「何だ?水野、何かいい案があるのか?」
「私、ロミジュリやりたいです」
「ロミジュリ?」
「シェイクスピアの四大悲劇と呼ばれるものの一作『ロミオとジュリエット』です」
「つまり演劇がやりたいと?」
「はい」
「理由は?」
「皆で出来るものだからです。言い出しっぺの私が主演をやります。もう一人の主演は巻き込んで申し訳ないけど、工藤さんにやってもらおうと思います」
「…………え?ちょ、ま、!」
「おお!これいいぞ!!」
「すげぇ宣伝になるぜ!」
「元ルーレットとスターズの夢の競演だ!」
「先生!体育館抑えられないんですか!?」
「その辺は実行委員しだいだ。潮(うしお)、その辺どうなってる?」
「体育館ですか?土曜日の朝9時から二時間と日曜日の昼15時から二時間が開いてます」
「一回限定か、最終日の二回目で締めるか?どうする」
「二回やりたい!!たくさんの人に見て貰おうよ!!折角だし、キッチリした物をやろう」
「私もその意見に賛成よ、伊崎さん。貴女はどう?工藤さん」
「…はぁ…どうせノーなんて言わせない癖に……」
「なら決まったな。我が二の梅組は体育館で二公演『ロミオとジュリエット』をする事に決定する!」
こうして運命は廻り始めたのだった。
作品名:ステップ・アップ!! 作家名:本宮麗果