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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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乙女たちの幻想曲 第1回 Secret Garden

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「お待たせ。白い花を持ってきたわ」
 そう言って、彩はベッドの中の水音に近寄り、1輪の白い花を見せた。彼女はうれしいため息をつき、小さな声ながらもうれしそうに
「ありがとう、彩」
 と言った。そのあと、彩は水音の頭に自分の手が届く位置まで椅子を持っていき、暗いピンク色の髪に白い花を挿した。
 挿しているとき、2人は視線が合った。― そのときの彼女たちの微笑は、この上なく純粋であった ―

 やがて、水音の髪に花を挿し終わった。彩の予想どおり、白い花は親友をより美しく飾っていた。
「きれい…とてもきれいよ、水音」
 彼女の言葉を聞いた水音は心からの笑顔を見せ、声を振り絞って話し出した。
「ありがとう。…いよいよお別れだわ。あなたは、西にある『あの庭』へもう一度行って。そうすれば…」
 ― 数秒間、この部屋から一切の音が消えた。


 彩は親友の名前を口にした。しかし、彼女は目も口も開かなかった。彼女の状態を悟るや、彩の胸は青く熱くなり、親友の名を叫んだ。

 そして彼女は椅子から立ち、足早にドアの前まで行くと、勢いよく部屋を出た。