硝子文字
あなたのうしろ姿
いつもあなたのうしろから
僕は歩いていたことに気がついた
それは新雪の日の事であった
白樺の林の中
あなたの足跡が残っていた
碧い空が眩しく
ぼくを照らしていた
ふと真正面から見たことのないあなたに気がついた
もうじき溶けて行くだろう
この神秘な雪のように
あなたの足跡も消えて行くのだろうかと
想う時
あなたの先を歩いてみたいと思う
あなたを知りたいと思う
あなたの向かう神秘なところに
この足跡のあるうちにと
しかしこのまま見失ってしまうかもしれない
行く事は出来ないだろう
汚れなき身体にする事も出来ず
やはりあなたのうしろ姿を見ていよう