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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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灰と真珠

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 男が立ち尽くしていると、やはり銀色と緑色の服を着た1人の中高年の男性がやってきました。
「何だ、君。随分と古い格好をしているな」
(ええっ、随分と古い格好!?)
 男は、ぽかんと口を開けてその人を見つめました。
「いや、君の服装はさ、何百年も昔のスタイルだよ」
(何百年も前のスタイル!!?…どういうことだ?この人、いったい何を言ってんだ??)
 男は、困り果てた顔をするしかありませんでした。中高年の男性は、こう言いました。
「いや、ちょっと言葉が悪かったかな。もしかして君はコスプレくんかい?もしそうなら、個性的で随分面白いな。はっはっは…」
 そう言うと、中高年の男性は、キューブ型の建物のある方向へ歩いていきました。

 1人残された男は、絶望のあまり両膝を突いてしゃがみ込み、頭を抱えて声のない叫びを上げました。それからすぐに、男は手の辺りが妙に涼しく感じました。頭から手を離して両手を見ると、恐ろしいことに、両手首から先がありません。彼はぞっとして、口を震わせました。
 そうこうしているうちに、彼の両腕がどんどん灰になり、頭も灰になり、ついには彼の全身が灰になってしまったのでした。
作品名:灰と真珠 作家名:藍城 舞美