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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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灰と真珠

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たどり着いた場所〜灰と真珠


  ついに、男は長い長い階段を上りきりました。彼は腕をいっぱいに広げて大声で
「あー、やった!やっと上まで来たーー!」
 と言いましたが、声が出ません。男は口の動きだけで
「あれ?何で声が出ないんだ」
 と言いました。彼の体から血の気が引きそうになりました。

 男を絶望させたのは、それだけではありません。彼の目の前に広がっていた光景は、彼の住んでいた地域のそれとは全く違うものでした。
 銀色のピラミッドのようなビルや、楕円形を縦にしたような形のビルがちらほらあり、空にはヘリコプターに似た物体が浮かんでいました。
 道行く人たちは皆、SF映画に登場する宇宙パトロール隊か何かのユニフォームのような、銀色と緑色の服を着ています。もちろん、彼の知っている人は1人もいません。
(ここ、どこだよ……)
 男には、もはや何が何だかわかりません。
作品名:灰と真珠 作家名:藍城 舞美