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嘘と演技

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 10時半頃私達はさくらさんの自宅に着いた。さくらさんは玄関に暗証番号で入りまた戻ってきた。
「あった。社長室の鍵」
「よし。じゃあ。会社から少し離れたところから入ろう」
本条の会社に着き、会社の裏で私達はさくらさんを見送った。
「頑張ってさくらちゃん」
 由美が言った。
「さくらさん」
「さくらさん」
 さくらさんは無言でビルの裏から中に入っていった。


 2013年12月23日深夜11時25分。銀優会社長室。その誰もが入れない筈の部屋に一人のショートカットのセーラー服を着た女子高生がカギを開け暗証番号と指紋検証で中に侵入し、狩りに出る豹の様に素早く目的のパソコンを見つけ電源を入れる。USBフラッシュメモリを差し込み、ごみ箱からの復旧、目的ののデータを見つけ、USBフラッシュメモリへ送る。そして安全に取り外す。電源をログオフ、そして忍びの髄を洗練している様なスピードで社長室で仕事を終える。
 プロの動きと思われる俊敏な、完璧な動作だった。
 私達はビルの下で待って5分も経たないうちにさくらさんが戻ってきた。
「どうデータは?」
「多分取れたと思う。音が出るといけないから再生はしていない。でもあの日付のあの場所のセキュリティーのデータです」
作品名:嘘と演技 作家名:松橋健一