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嘘と演技

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 霧島にも電話をした。
「結城さん。私にも役に立てることがあったら言ってください。」
「霧島。俺は今から人の道に反する事をするかもしれない。犯罪を犯すかもしれない。だからこそお前は俺達と別行動してくれ。しばらく俺と関わらないでくれ。それが俺のお前に対する願いだ。事務所の事務、しばらく相談が延期になる件に関してはお前が謝罪してくれ。申し訳ない。事務所を守ってくれ」
「分かりました」
 霧島はそう言った。
 そして私達は原宿に行った。
 原宿でカモフラージュとして買ったサンタクロースの衣装の中に髪切りばさみとかつらを潜ませてクラッカーとケーキも買って、中に入る手筈だ。
「ああ。あやめさん。もう来てたんだね」
「結城さん。あっ由美さん。どうも。先程は違うんです。私達がホテルに入ったのは誰からも聞かれたくなくて、張り込みを恐れて…」
「分かったわよ。大丈夫。もうこのおじさんが説明してくれた」
「良かった」
 あやめさんはそう言い、
「じゃあ中に入ろう…」
 受付の人に声をかけた。
「本条さくらさんの面会をしたいんですが」
「その手さげは?」
「クリスマスのちょっとしたお祝いでささやかながら…」
「じゃあ、その守衛さんについて行って」
 私達は守衛さんについて行った。
 今度は守衛の人が、
「その荷物は?」
「クリスマスにささやかなお祝いをしようと思って、クラッカーとケーキも差し入れで」
 
守衛はじっと私たちを見た。
こっちを疑いの目で見ている。
まるで瞳の奥に深い深淵でもあるかのようにじっーとこちらを凝視した。
「よし。いいでしょう。面会時間は15分ほどで」
「分かりました」
作品名:嘘と演技 作家名:松橋健一