小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

嘘と演技

INDEX|70ページ/91ページ|

次のページ前のページ
 

「モスクワの時間で3時にホテルに向かったと見せかけ東京に向かうと10時間プラスその他の移動の時間で2時間、つまり12時間かかるとします。日本はモスクワより時差の関係で5時間進んでいるからモスクワの3時は日本ではまだ10時。日本に、日本時間で22時に着く事も可能になります。おそらくさくらさんはメールか何かでこの箱根旅行でお母さんに本当の事をすべて話すと本条父に言ったのでしょう。それで父は慌てて駆け付けた。そして殺害を犯し、日本からまた深夜便で今度は17時時間時差の分多く時間がかかるとしても日本から深夜11時に家を出発すれば、モスクワに午後4時に着くことは可能、ちょうどいい塩梅に羽田からの深夜0時頃モスクワ行の便が出ている」
「かなりタイトなスケジュールだが可能と言えば可能だな」
「それだけじゃないんです。私確かな証拠を持っているんです。監視カメラの。画像は何故かないのですが音声として」
「どこにそんなものを?」
「桜庭セキュリティーです。そこに殺人事件のあった日の監視カメラの本物のデータが隠されていたのです」
「本物のデータ?」
「ええ。セキュリティーはもともと本条家の安全を守るためのもの。本条則明が任意で設置しているもの。だからその画像を国家や警察に提出する義務もないし、彼がいくらでも管理できる」
「でも警察はそれを証拠物件として調べた筈では…」
「それが…警察が見たものとは別にあったのです。オリジナルが…」
「オリジナル?」
作品名:嘘と演技 作家名:松橋健一