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嘘と演技

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次の日私と霧島は麻布で落ち合った。
「おうおはよう」
 霧島は、
「おはようございます。昨日は帰って考え事をして思考がまとまらなくて」
 私は少し驚きながら、
「お前もか」
 そう言った。
「まあいい。とにかく行こう」
 私達は麻布クリニックに行って受付で弁護士と名乗り、彼女の主治医の中西先生の話を聞けないか頼んだ」
「診察ではないのですね?」
「ああ。そうだがこれは事件が絡んでいるんだ」
「さくらさんの母親の事件ですね。当然私達も知っています。先生の相談してみます。弁護士さんであれば協力してくれない事はないと思うので」
 そう言って受付の彼女は内線で先生の電話をした。
「あっ、もしもし中西先生…」
 私達はその場で待った。
「あの、結城さんでしたっけ?用件は何かと」
「用件は彼女の本当の病名とか…」
 受付の彼女はまた内線で話した。
「守秘義務があるそうで」
「事件に絡んでいるんだ。そこをなんとか」
作品名:嘘と演技 作家名:松橋健一