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嘘と演技

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「でも本条は性的虐待をしているかもしれない。表向きは名誉外交官で慈善事業もしている。その秘書は分からないが本条自身もかなり表裏の激しい男かも知れない」
「そのようね。蛇の道は蛇。黒幕の本条の秘書もかなり、ブラックな感じの奴だと思うわ。その栄誉は本条が讃えられているけど」
「そうか…」
 私達はしばらく沈黙して私が、
「ひょとしてだけど…」
「うん」
 みんなも私の話に耳を傾けた。
「ひょっとして、もし、その謎の秘書官の黒幕のG―girlの正体を突き止めたら、本条親子殺人事件の真相がはっきりするような気がするんだ」
「どうしてですか?」
 霧島が訊ねた。
「どうしてか…いや、ただなんとなくそんな気がするんだ」
「なんとなくか…」
 由美も落胆してしまった。
「とにかくお互いあまり、収穫がなかったようね」
「すまんな。由美。せめて野副さんからもっと話を聞いていれば…」
「いいのよ。お互い様でしょ。じゃあ私明日早いからそろそろ帰るね」
「分かった。今日はとりあえずお開きにしよう」
「あと霧島。明日さくらさんの主治医に病名を聞く件で一緒に行かないか?」
「そうですね。こないだ本条に呼び出されて行けませんでしたよね」
「ああ。明日こそ確かめよう。探偵の松井は彼女が解離性同一障がいではないかと睨んでる。その事を確かめよう」
 私達はそうして別れた。
 私は二人が来ることでいくらか片付いた部屋でハーブティーを飲み、ゆっくり考え事をし、頭の中で思考がまとまらずしばらくして寝た。
 
作品名:嘘と演技 作家名:松橋健一