嘘と演技
そう言って私と霧島は別れた。私は別の仕事の為事務所で仕事をしていた時、電話がかかってきた。
「はい。結城法律事務所です」
「あの…もしもし…」
「はいもしもし…どなたでしょうか?
「……あの…私野副です。さくらさんのスクールカウンセラーをしている野副結季花です」
「ああ。野副さん。丁度明日電話をしようと思っていたところです。どうかしましたか?」
「あの…結城さん。今どこまで分かっていますか?」
「えっ?」
「さくらさんの事について事件の真相についてどこまで分かっていますか?」
「と。言いますと…」
「何か事件の真相が分かる確信的な事実にたどり着きましたか?」
私は電話越しにしばらく沈黙した。
そして言った。
「ああ。たどり着いたよ」
「それは性的な問題でありますか?」
「その通り。野副さんはやはり知っていたんですね」
「すいません。その事で私も何かお力添えにならなければと思いまして」
「いろいろ情報提供してくださるのですね」
「いえ。私としても大した情報はないのですが。皆さんとこの事件について行動を共にさせていただきたいんですう。話合いがなされる席にも出席させてほしいんです。幸い私は前日にカウンセリングの予定が入らなければ日中は自由ですし、もちろん報酬などいりません。お願いします。ご一緒させて下さい」
「そうですか。さくらさんの情報を提供してくれるんなら、私としてもありがたいし、いいでしょう。行動を共にしましょう。もちろん来れる時だけでいいんです。スクールカウンセリングの本業の方を優先してください。それと報酬の方はあげることができませんが、本当にそれでもいいんですか?」
「はい。構いません」
そうして私らは野副結季花さんとその次の日から行動を共にすることになった。