嘘と演技
「さくらの学校に?何でですか?」
「さあ。向こうの学校に懐疑的な何かがあるらしい」
「学校に?そんな私も知らなかった」
「えっ?」
「いえ、いいんです」
「とにかく急ぐんで。じゃあ」
私があやめさんから離れ数歩歩いた時、あやめさんが、
「弁護士さん。もしクリスマスにさくらに何かあるとしたら私は身代わりになる覚悟があります。彼女の無実も証明できるでしょう。もし彼女の許しを得たらすべてはっきりします。誰が犯人かどうしてたくさんの人が犠牲になるのか。今は私達には何もできませんが、弁護士さん。どうか真実をつきとめてください。お願いします。私達に今必要なのはさくらさんの証言だけなんです」
「うん分かった。真実をつきとめるよ。ありがとう」
私はその含蓄的な言葉を聞きながら地下鉄の方に向かい、小菅を跡にした。