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からっ風と、繭の郷の子守唄 第6話~第10話

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からっ風と、繭の郷の子守唄(10)
「焼トウモロコシと、同級生、五六(ごろく)の登場」

広い駐車場に、じぶじぶと焦げる香ばしい醤油の香りが漂よってくる。
屋台に、バーベキューで使うような、大きな金網がデンと置かれている。
その上にたった今、畑で収穫されたばかりのトウモロコシが、
手早く皮を剥かれ、無造作にコロコロと、強火の上へ転がされていく。

 「あら。茹でないで、採りたてをそのまま、金網の上で
 焼き始めてしまうのね。
 群馬の焼きトウモロコシは、ダイナミックですねぇ!」


 「あったりまえだ。そこのお姉ちゃん!
 そこの畑で、採って来たばかりのトウモロコシだ。
 みずみずしいうちに、こうやって、遠火の強火ってやつで一気に焼きあげる。
 荒っぽいやり方だが、こうして焼きあげるのが一番うまいのさ。
 おっ、なんだよ、誰かと思えば、やっぱり康平か。
 なんだ。女を連れているのなら、最初からそういう風に俺に挨拶しろ。
 いい女だから、ナンパしょうと思って、つい熱弁をふるっちまったぜ」