ヴァリング軍第11小隊の軌跡(仮)
Amazing Grace
樹音は自分が手に触れた事で古代文字が金色の音符になった事を確認して、それ以外の文字にも触れてみるとやっぱり音符となった。
「…まさか、この壁…」
樹音は壁全体に描かれている文字の正体に気付く。
「楽譜…?」
順番に触れて行き壁の文字は楽譜へと変化していく。樹音は自身の手の届く範囲で触れて行く。たったの一小節程度だが詠めた。
そしてある曲を思い出した。
「この曲、知ってる…!」
樹音の母が生きていた頃に演奏していた楽曲で、樹音自身が最近演奏した楽曲だった。
「アメイジング・グレイス」
そう言った瞬間、壁の文字が全て音符に変わり、一面全てが楽譜となったのだった。
その時だった。
『ほっほっほっほ、この文字の正体に気付く者がおるとはのぅ。何と嬉しい事か』
中央に突如謎の老人が現れた。
作品名:ヴァリング軍第11小隊の軌跡(仮) 作家名:鳶織市