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ヴァリング軍第11小隊の軌跡(仮)

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 悠斗が先導して敵地に二人を案内する。
 まるで自分の庭のように堂々と歩いて行くのは違和感しか湧かない市花と小百合だった。
 そして約30分ほど歩い先に大きな建物が見えた。
 その建物は古く錆びれていてもう崩壊寸前という代物だった。



「…ここが敵地?」

「ああ。確かに僕はここに敵が入る所を見たよ。僕達と同じ受験者達もね」

「そう…」

「そしてここが入り口」



 扉となるものがない、まるで遺跡の入り口のようなものだった。



「無用心過ぎるわ…」

「ああ」



 悠斗はポケットからあるものを取り出す。
 それはレーザー探知機だった。



「…それって…」

「レーザー探知機、安物だけどね」

「そんなもの何処で手に入れてるの、貴方」

「敵からに決まってるだろう?これもさっきの敵が持っていたものだよ」

「…色々言いたい事があるけど、まあ今はいいわ。それより、市花」

「何?小百合」

「ここで決めておかなければいけない事がある」

「…分かってる。助けたくても助けられない時は、見捨てる事も必要だって事は。流石にもう死んでいる者は無理だけど」

「それが分かってるならいいわ…」

「方針も決まった処で、じゃあ解除して中に入ろっか」