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ヴァリング軍第11小隊の軌跡(仮)

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     ○

 市花と小百合は同時に起きた。
 大轟音は鐘と思われる音だった。
 外に出てみると既に明るくなっていた。



「…朝になったんだ…」

「でもまだ試験が終わった訳ではないわ。今日を入れてあと二日、生き抜かなければならない」

「うん」



 市花は、小百合に冷汗を悟られないように汗を拭った。

 
 食事を済ませた市花と小百合は、荷物を持って洞窟を出た。
 仲間を捜しながら、食料調達も一緒にしていく二人。
 木の実や茸、食べられる薬草なども拾っていく。すると水が流れる音が聴こえてきた。急いでそこへ行くと、小さな川があった。二人は川に飛び込んだ。そして手で掬いながら川の水をたらふく飲むと、水稲やペットボトルに水を入れる。気合いを入れ直した二人は川を渡って先へ進んだ。
 しかし二人は少しだけ油断をしていたのかもしれなかった。すぐ近くに敵が潜んでいたことに気が付かなかったのだ。敵は二人の背後にゆっくりと気配無く廻り込む。
 そして銃を構える。
 撃とうとした瞬間、敵は背後から何者かに背後から一刺しされた。





(ドサ…)





 背後で誰かが倒れた音を聴いて二人は振り向いた。
 敵が二人血を流して倒れていた。
 そして、その後ろから一人の影が出てきた。



 影の正体は、市花と小百合と同じ軍人学校に通う受験者の少年、悠斗・ヤン15歳だった。
 敵の血がついたナイフを拭きながら「やあ、危なかったね?二人とも」と笑顔で姿を見せたのだった。