小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
窓際ライター
窓際ライター
novelistID. 57607
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

プリンススの野望 ~性別無き世界への飛躍~

INDEX|3ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 

魔法使い「そういうこと。」

勇者「は?なんだそれ。使い道あるのか?てか、今まで使ったことあるのか?」

魔法使い「ええ、これを使って運動不足解消。それに足のシェイプアップ。さらには便秘解消にもつながるんだから!もちろん、私もお世話になってるわ。」

錬金術師「自分にかけちゃうのか、その魔法を。」

勇者「まあいい、で、早くこれ止めてくれないか?」

盗賊「(勇者を無視して)ンッンー、じゃあ、次は僕ですな。盗賊、好きなことはかわいこちゃんの写真を盗ることでふ。名前はシャトッツ。」

(盗賊が自己紹介してる間に、魔法使いが、勇者のスキッピー状態を解除)

錬金術師「盗むの盗るとかけているのか、盗賊だけに。」

勇者「盗賊は盗賊でも、物は盗まないわけ?」

盗賊「チッチッチ、僕がそんな野暮なことをするとでもぉ?ンフー、失礼だねぇ。そんなものを写真に収めて何の生産性があるというんだい?僕は、死ぬとき、柩の中でかわいこちゃんの写真に囲まれたいんだ。」

魔法使い「私そんなの嫌よ。」

盗賊「安心したまえ、あなたは撮っていない。というか、撮る価値が───」

盗・錬「ねー?」

魔法使い「(二人へ杖を向けながら)スキッピー。」

錬金術師「さ、最後か。錬金術師だ、俺は。錬金だ、得意なことは。」

魔法使い「解除。」

(盗賊、錬金術師、スキッピー状態から直る)

勇者「錬金って、例えばどんなことできるんだ?」

錬金術師「例えば、こんなだ。(と言って、口からトランプが出てるように見えるマジックを披露※不格好にやること)」

勇者「いや、うん。他には?」

錬金術師「これもある。(今度は、右耳から左耳へ、ハンカチを通すというマジックを披露※不格好にやること)」

勇者「うん。なんか想像してたのと違った。」

錬金術師「残念だな、それは。」

(暗転。場面転換 草原→魔王城内 明転。)

魔王「なんか、大丈夫そうじゃない?」

魔女「確かに。」

王子「勇者が連れてるの、俺の国の兵士じゃないか───」

魔王「こっちは人手不足だけど、そっちは能力不足なのね。」

王子「どの口が言うか(小声)」

魔女「でも、あの場所、ここからかなり近いわよ。」

魔王「いや、大丈夫でしょ。だって低クオリティなマジックを一丁前に披露したり、盗撮魔がいたり、生産性のない魔法を使うやつがいたり、壊滅的じゃん。」

魔女「こうしている内にも、どんどん近づいてきてるわよ。」

王子「人手がないから足でまといすることができないんだな。」

魔王「うぅん、まあ、例え見た目が烏合の衆でも、実力はかなりあるかもしれないしね。」

幻術師「ならば、この私めが、彼奴らの実力を見て参りましょう。」

魔王「ふむ、そうだな。よし、行ってくるのだ!」

(暗転。 場面転換 魔王城内→草原 明転。)

(勇者一行が歩く。少女に扮した幻術師(どう見ても少女には見えない)が座りこんでいる。)

幻術師「えーんえーん」

(勇者一行、一度足を止めて仲間と顔を合わせる、すぐに歩き出し、幻術師の前を通り過ぎようとする)

幻術師「(勇者の足を掴み)うえーんえーんえーん(さっきよりも強く泣く)」

(勇者一行やっと足を止め、勇者以外の仲間で円になる)

盗賊「んんん、どう見ても罠ですなぁ。」

錬金術師「ここは逃げるべきだ。勇者を置いて。」

魔法使い「取り敢えず、要件だけ聞いてみようよ。」

(三人で一緒に頷く)

錬金術師「なんだ、要件は?」

幻術師「あのね、あたしが大事にしてた聖剣エクスカリバーがね、木に引っかかっちゃたの(木を指差して)」

錬金術師「本部、罠確定です(無線機を使う真似)」

盗賊「了解した。プランBに変更だ(無線機を使う真似)」

魔法使い「了解。(無線機を使う真似)」
錬金術師「うぅんむ。本物だな。エクスカリバー。」

魔法使い「え、マジ?」

幻術師「そうだよ。本物だよ。だからね、とってくれたら、お礼にそれあげる。」

盗賊「おーうさんくせ。」

錬金術師「あーうさんくせ。」

魔法使い「そっかぁ。でもなんであなたのような小さい子が剣なんて持ってるの?」

幻術師「そ、それは。」

魔法使い「んー?お姉さんに正直に話してごらん?」

盗賊「いやぁ、相変わらずの迫力ですなぁ。」

錬金術師「泣いて逃げるぞ。本物の少女なら。」

魔法使い「(盗・錬の方を向き)スキ───」

(盗・錬、身構える)

魔法使い「で、どうして剣持ってるか教えてくれるかなぁ?」

幻術師「うーんと、あ、これでいつも歯磨きしてるの。」

錬金術師「そろそろバラせ、正体を。」

盗賊「あなたがやるには無理がありますぞ。んっふっふっふ」

幻術師「えー、なんのことー?」

魔法使い「(幻術師に対して)スキッピー」

(幻術師、スキップする)

幻術師「(スキップしながら)ちっ、そろそろ潮時か。フン、よくも見抜いたぞ勇者たちよ(幻術師が話してるあいだに、勇者が聖剣を取る)貴様らの実力は魔王様に(話している途中で聖剣で斬りかかる)ぐわぁ~~(迫真に倒れる)」

勇者「何がしたかったんだこいつ」

(暗転。 場面転換 草原→魔王城内 明転。)

魔王「こ、こいつら、なんて頭がいいんだ!今のを見破るなんて!」

魔女「勇者一行。侮れないわね。」

王子「いや、この無能ぶりじゃあ、すぐわかるでしょ。」

魔王「どどど、どうしよう!これじゃあ男の娘の願いを叶えられない!魔王様大ピィンチ!」

剣術士「魔王様、落ち着いてください。今度はこの私が、最後の砦となって見せましょう。」

魔女「頼んだわよ!もう門の前まで来てるわ。」

王子「え、最後って、部下って七人いるんじゃないの?」

魔王「他は今、実家へ帰省中だが。」

王子「は?長期休暇か?」

魔女「週休5日だからね。」

王子「なんで改善しないんだ?」

魔王「え、逆にどこを改善しろと?」

(間)

剣術士「では、行ってきます。」

(暗転。 場面転換 魔王城内→魔王城門前)

勇者「いやぁ、早かったなぁここまで。」

盗賊「少女のコスプレしたおじさんじゃあ、邪魔にはなりませんなぁ。」

魔法使い「まぁまぁ、もうすぐ私たちは、魔王を倒したと全地上に名を馳せることになるのね。」

錬金術師「簡単だな。名声を手に入れるのも。」

勇者「いや、もしかしたら魔王だけはめっちゃ強いのかもよ。敢えて敵を用意しないことで、俺らを戦闘に慣れさせないという巧妙な作戦かも。」

剣術士「(舞台袖から)そんな卑劣な作戦は、魔王様はお使いにならない。」

勇者「だ、誰だ?」

(剣術士、現る)

剣術士「名乗る必要はない。なぜならお前たちのはばばは、ここになるんだからな!」

魔法使い「あ、今噛んだ。」

盗賊「『墓場』って言いたかったんですかな?」

錬金術師「完璧に噛んでたな。「はばば」って。」

剣術士「だ、黙れぇい!失敗は誰にでもあるだろう!くっそ、お前らは私の、邪剣デストロイヤーの餌食になるんだ!」

(剣術士、そう言って背中に装備してた傘を手に持つ)

勇者「おい、それ傘だぞ?間違ってないか?」