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てっしゅう
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「幸せの交換」 第十二話

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「そう、父さんも母さんの事前から好きだったんだろうなあ~。そんな恋愛結婚してなんで喧嘩して離婚するまでの思いになったのか解らないよ」

「男と女は複雑なのよ。ちょっと聞いていい?まだセックスの経験はないの?」

「えっ?この年だよ。知らない方がおかしいよ」

「そうよね。それは失礼しました。男の子はそうよね」

「母さんはモテただろうから早かったの?」

「何が?・・・あっあれね、ハハハ~親に聞く?」

「おれに聞いたから言ったんだよ」

「そうよね、お母さん変なこと聞いちゃったわよね。ごめんね。どうかしてた」

「親友は彼女がすごくいいと話してた。おれには羨ましいけど、だからと言って今の彼女とすぐに仲良くしたいとは思わないよ。仕事や趣味のことも大切だからね。母さんのことも心配だし。頼りにはならないだろうけど、父さんに言えないことがあったら話してくれていいよ」

「うん、頼もしいって思うわよ。お母さんあなたが自慢だから、今言ってくれたことはとても嬉しいよ。彼女と心から愛し合えるようになるといいわね」

息子は自分の心の中を覗こうとしたのだろうか。
母親の心配事に敏感に反応しただけのことだったのだろうか。

今日の会話でわたしは夫と仲良く出来なくても、この子が居ればそれで我慢できると強く感じた。離婚なんてしないでこの家に居たいと気持ちを切り替えよう。夫にはもっと優しく接すれば考え方をちょっとは変えてくれるかもしれないと淡い期待に自分を納得させていた。

登志子から野口と正式に離婚したと連絡があって、また三人で会うことになった。
夫にそのことを話して日曜日に出かけた。
待ち合わせした同窓会でのホテルのカフェルームに私は着いた。