小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

「もう一つの戦争」 敗北と幸一の運命 2.

INDEX|3ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 

兵力の増強は、女性に産めよ増やせよのスローガンで勉強するより良き母にが声高に叫ばれるようになった。
妊産婦手帳の配布もこのころスタートした。
そして優良多子家庭を表彰する制度も一層の子作り作戦を奨励する形となっていた。

十一月二十三日の新嘗祭を中心とする新穀感謝行事が全国各地で行われた。
みのりに感謝する念を童心に染み込ませるため、二十三日を期し一斉に全国児童(数え年二歳から十三歳まで)にキャラメル(10銭包)一人当たり一個あてを特配した。
そのキャラメル包装紙には「みのりに感謝、良い子はお米を大切にします」という票紙が貼られていた。

十一月に国が応募した「大東亜戦争一周年・国民決意の標語募集」で入選作品の一つとして、東京麻布の国民学校五年生、三宅阿幾子さん応募の「欲しがりません勝つまでは」という票語が全国で叫ばれるようになった。
そして十二月八日に一周年を迎えた。
東條英機首相は「皇軍は各地に転戦、連戦連勝、誠にご同慶の至りであります」とのラジオ放送を繰り返していた。