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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第十話

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夫の言い方はちょっと気に入らなかった。少しでも頑張って満足させてやるからと言ってくれたら、この場は収めようと思っていたのに逆に自分の気持ちに火をつけられた感じとなった。

「私が他の男性と試してやはりあなたと同じだったと思えばいいの?」

「何を言ってるんだ!冗談に決まっているじゃないか。本気にするだなんてどうかしてるぞ」

「どうかしているのはあなたじゃない!私の気持ちなんか全然考えてくれていない。寂しい思いをしているのに気付いてくれないだなんて、悲しすぎるよ」

「何が不満なんだ?セックスが満足出来たらどんな暮らしでもお前はいいと思うのか?全部を考えておれを評価しろよ。おれだってお前が遊んでくることを許しているんだぞ。お金の不自由もかけてない。小さなことでおれを怒らせるなよ」

「小さなこと?あなたにとって小さなことでも私の中では大きくなっているの。残り少ない人生で女を楽しめるのは限られているのよ。男のあなたにはそんなこと分からないわよね。解っている人ならこんなふうにはなってないし」

「ふん、いい気なもんだ。そこまで言うなら出て行って一人で暮らして男遊びすればいい。子供たちはお前のような淫乱な母親のところへは行かせないからな」

「酷い!私たちの結婚って何だったの?あなたは登志子に浮気されて振られて気晴らしに私に近づいて身体を求めたのよね?結婚したのは自分が満足するセックスを私となら叶うと考えたのよね?違う?」