連載小説「六連星(むつらぼし)」第86話~第90話
連載小説「六連星(むつらぼし)」第88話
「原子炉内での作業・その1」
その日。原子炉内に入ってロボットを取り付けるという作業は
実は他の人が受け持っていました。
そして、取り付けは無事に完了したものの、ロボットが外部からの操作に
反応しないという、アクシデントが発生してしまいました。
原子炉の壁面には、無数の小さな穴が等間隔に開いている。
その穴にロボットの6本の足が入り、遠隔操作で移動していく
仕組みになっている。
しかし。どうも足が完全に、正規の位置に入っていないようだというのが、
取り付け作業を監督する社員たちの結論だった。
足が完全に入っていない状態だというのなら、ロボットを放置しておくと、
いつ落下してもおかしくない状態になる。
落下すると数千万円の精密機械が、破損してしまうことになる。
そうなる前に、正規の位置にロボットをセットし直す必要がある。
急遽、わたしが指名され、原子炉内へ入ることになりました。
作品名:連載小説「六連星(むつらぼし)」第86話~第90話 作家名:落合順平