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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 舞い降りた天使 9.

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「失礼なことをしてしまったようで軍人としてこれ以上恥ずかしいことは在りません。このことは司令官には言わないで戴けますか?」

「いえ、磯村様。悪いのはわたくしの方です。気になさらないで下さい。少しお話しさせていただいて、今日はっきりとしたお返事をさせて戴きたいと思っています」

「そうですか!それは嬉しいです。何を話せばよろしいですか?」

「ご自身のこと、どうして海軍に入ろうとなさったのかとか、飛行機の整備の任務を選ばれたのは何故かとかです」

「はい、子供ころから航空機に憧れがありました。大空を鳥のように飛ぶことが出来るなんて夢のようなことですからね。山本司令官にお会いする機会がありまして、ぜひにとお願いして入隊させていただきました。今は整備兵ですがいつか操縦桿を握って戦闘機に乗りたいと思っています。裕美子さんは、軍人は嫌いですか?」

「子供の頃からの夢を実現されていることは素晴らしいと思います。わたくしは父親が国会議員でしたが、どちらかというと戦争反対の立場でした。それは自分の母親つまり祖母が父親の記憶が無く育ってきたことが原因だと話してくれました。こんな時代ですので理由はここでは申し上げられませんが、軍人が嫌いというわけではありません。しかし、多くの命を落とすであろう戦争は嫌いです」