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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「もう一つの戦争」 舞い降りた天使 9.

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「裕美子さん、お父様が何を話されたのかはわかりませんが、戦争というのは日本国家の与えられた権利であり、国民の生命と財産を守るためには苦しい選択をしなければならないこともあると思っています。軍人としてあなたにお話しできないことがたくさんありますが、男として正義と恩に報いることは使命だと考えております」

「男の方は正義とか使命とかを優先されるのですね。女は愛とか平和を優先します。磯村様と結婚して子供が出来たら、父親の無い子にはしたくないと強く思います。わたくしに決して無理をして死なない、先を急いで死にゆくことを考えないと約束してくださいますか?
それならお嫁さんにしてほしいです」

「裕美子さん、軍人だから死を前にして怖気づくことはしないと思っています。しかし、妻のある身、子供の父親として責任を果たすことも約束します。あなたのような美しい方を迎えることは男の誉れです。さっそく司令官に報告して喜んでいただきたいと思います」

この時の幸一の笑顔が裕美子には印象的だった。